はじめに
歯周病は歯を失う原因の第一位です。
心筋梗塞や肺炎など全身疾患と関連がある、ある程度進行しないと症状が出ないため自己診断が非常に難しいことなどが特徴として挙げられます。
一度発症して歯茎や骨が溶けると完全に戻すことが困難になります。
そして普段の生活習慣が非常に関連するので患者さんの協力のもと二人三脚での治療が必要です。
とにかく早く危険を察知して発症しないように、進行しないようにコントロールしましょう。
ほとんどの場合、適切な歯磨きや定期的なクリーニングで予防することができます。
歯が痛いから、腫れたからではなく、ずっとお体も健康で自分の歯でおいしくお食事をするために歯周病の定期健診・治療を受けましょう。
歯周病がすすんでいる方でも歯茎や骨を再生する手術等も行えますので、お気軽にご相談ください。
歯周病の原因・全身への影響
食後に食べかすが残ると、細菌が繁殖して歯垢(プラーク)になります。
歯周病は、プラークや歯石(プラークが固まったもの)が歯と歯茎の間に停滞して炎症を引き起こすことで進行します。
最初は歯肉の腫れ(歯肉炎)から始まりますが、どんどん病状が進行してくると、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、
歯がぐらぐらしたり、膿を出して口臭がするといった、いわゆる歯槽膿漏という状態になり、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。
また、歯周病は以下の全身疾患の発症リスクとも大きく関わります。
まず、お口の中から全身の健康を維持して頂ければと思います。
・糖尿病 3.4倍
・心臓病 2.4倍
・脳卒中 4.3倍
・早産 2.4倍
・低体重児 1.6倍
・肺炎 3.6倍
歯周病治療の流れ
歯周病治療の流れです。
歯周病は口の中の汚れ(プラークと歯石)が原因なので、その汚れを徹底的に除去します。
そして、治療のステップごとに、治りを確認する『再評価』を行います。
基本的には、治療→再評価→治療→再評価… ということを繰り返していくことになります。
歯周病治療には特効薬はありません。
そのかわり、毎日の歯ブラシや、治療などの地道な積み重ねが確かな効果を生みます。
私たち医院が主体になるというよりかは、患者さんとの二人三脚の治療になります。
私たちも全力でサポートしますので、一緒に頑張りましょう。
1.口腔内診査、検査
今のお口の中を状況を様々な方法で記録・検査し、今後の治療方針を決定します。
①.レントゲン写真撮影(パノラマ写真、デンタル写真)
②.口腔内写真撮影
③.歯周ポケット検査
2.ブラッシング指導
クリーニング
歯ブラシのやり方を確認し、指導いたします。
また生活習慣に関するお話を伺わせていただきます。
その後、治療と全体のクリーニングを行います。
3.再評価
ブラッシング指導・クリーニングでどれだけ改善されたかをチェックします。
歯周病が進行してしまっている部位に関してはこれだけでは改善しないため、次のステップに進みます。
4.深部の歯石取り
通常のクリーニングではとりきれない、深い歯周ポケットの中にこびりついた汚れ(歯石)を除去します。
そのまま行うと痛みがあるので、麻酔をして処置をします。
5.再評価②
これまでの治療でどれだけ改善されたかをチェックします。
歯周病が重度に進行している部位に関しては、治癒しきらないことがあるので、次のステップに進みます。
6.外科治療
これまでの治療でも改善しきれなかった部位に対して、外科治療を行います。
歯茎を開いて肉眼で確認しながら歯石取りを行うことで、これまで取り切れなかった汚れを除去することができます。
保険適用外ですが、溶けてしまった骨を再生する、『歯周組織再生療法』を行うこともできます。
7.再評価③
これまでの治療でどれだけ改善されたかをチェックします。
8.メインテナンス
定期的にメインテナンスを行います。(1~3か月ごと)
歯周病はいったん落ち着いてもまた再発しやすいので、定期チェックは欠かせません。
歯周外科治療
通常の歯石取りではとりきれない、奥のほうにこびりついた汚れを取るためには、歯茎をめくって掃除をする、
外科治療が必要になります。
エムドゲイン(歯周組織再生療法)
歯周病が重度に進行すると、歯を支える骨(歯槽骨)が吸収し、歯がぐらぐら揺れてきます。
一度失ってしまった骨は通常の方法で回復することは難しいのですが、再生材料(エムドゲイン)を塗布することで、
溶けてしまった骨を再生させることができます。
部位や吸収している骨の状態にもよりますが、失った骨を再生させることができます
露出した歯根面に再生材料を塗布しています
料金
通常の外科手術 :保険適用
エムドゲイン使用 :100,000円+(税)